2014/05/22

ブランディングと問診

FDについてメーカーでレクチャーしてきたのですが、まるで医者向けの内容になっておりました。多少は他の新規薬剤についても触れましたが。みなさんが理解出来たかどうか心配しています。

FDというのは機能性ディスペプシアの略称です。この疾患概念の中身は多様で「機能性ディスペプシア」と呼ぶのは好きではなく、FDという呼び方をします。FDですと「その他」という言葉のように名前自体には意味がなくどうでも良い印象がありまして嫌いではないのです。

「あなたには器質的な疾患があるわけではない。それ以外の理由で症状があるのだ。それを我々はFDと呼んでます」

長ったらしい名前はそれなりに意味があるみたいじゃないですか。病名なんてものは「便秘」ぐらい簡単なほうが良いんです、カジュアルで。患者さんが悩まないから。ですから、FD。

フロッピーディスクが絶滅してくれたのでちょうどよいです。FD。

このFDの診療では、投薬の変更がしばしば起こります。決まった治療の方法がないからです。それをうまく患者さんには説明しないと不信感を招く場合が当然あるでしょう。したがって信頼関係が重要であることは言うまでもありません。ではどうやって信頼関係を築くかですが、これは「医師の態度」と「検査の質の高さ」によるだろうと思います。

高いブランドとしての価値をすでに持っている病院では、ブランド価値が信頼感を担保してくれるので、問診票を使ってある程度医師のインタビューを簡略化しても構わないと思います。しかし、そうでない医療機関ー当院もそうかもしれませんがーでは、問診こそ患者さんと信頼関係を築ける最大のチャンスであって、それを医師が疎かにすべきではありません。

途中から関係を修復する事の大変さに比べたら、最初から良好な関係を築くことがいかに簡単であるか、コストが安く済むかということを考えると、問診というのは実に重要なツールだなと思います。特にFDでは。

そういう自分は今、問診票のプログラムを作っています。笑

人生というのは矛盾に満ちているのです。

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