カフェイン摂取量など生活習慣の変化と関連している可能性は当然ある。カフェイン摂取者でコレステロールが上昇するとの観察研究はとても多いのだ。
仮にカフェインが原因であるならば機序はなにか。ゆっくり調べたことはなかったのだが、二次性高脂血症には利尿剤が原因となるものがあるのは有名である。例えばサイアザイドやループ利尿薬はコレステロールが上昇する。カフェインは利尿剤の一種なのであるから、どこかで機序がかぶってもおかしくはなかろうと患者さんには説明している。(機序に関して書かれた論文を探しているのだがまだ見つけられない)
コーヒーはノンカフェインであってもコレステロールを上昇させると言われている。だからといってそれが有害だとは思わないが。コーヒーの油、ジテルペン内にはカフェストールという物質が含まれ、これがコレステロールを上げるというのだ。例えばコーヒーを金属フィルターを使って濾した場合には油が浮いているのが見える。一方ドリップコーヒーの場合にはほとんど吸着されてしまいカフェストールは含まないとされている。エスプレッソには若干含まれる。だったら猿田彦珈琲で金属フィルターで濾過したコーヒーは?
一方コーヒーにはポリフェノール(クロロゲン酸)は豊富であるし、抗酸化作用もあるとされるから、相殺される?ぶっちゃけどうでも良い話である。
コーヒー1杯あたりのカフェイン量は60mg程度である事は覚えておいて良い常識である。常識と書いたが一体何ccだ?(平均すると140cc程度のようだ)高温で抽出するエスプレッソは、少しカフェインが飛ぶので少なめになる。多量にカフェインを含むはずなのに玉露では覚醒作用が弱い気がするのはタンニン(ポリフェノールの一種)のせいだとされるが、タンニンとポリフェノールの違いはカフェインとの結合率のようである。
茶カテキンの構造
コーヒーのクロロゲン酸はタンニンとしての活性がほとんどない
さて、若年者でコレステロールが高い人にインタビューを繰り返していると、エナジードリンクへの嗜好が有意に高そうだと気付いて妙に納得してしまった。(一方で脂肪肝など肝障害においてはストロング系アルコール飲料を飲んでいる人が特にやばい印象がある)
エナジードリンクにはカフェインの悪い作用を打ち消してくれそうな成分が何もない。
カフェインでコレステロールが上昇する機序はわからないと書いたが、インスリン感受性の低下、胆汁酸の分泌抑制などが考えられており、エストロゲンには保護的作用があるらしく、男性でより上昇することは現状を良く説明するように思われる。
こうした現代の脂質プロファイルの変化については、一層注意を払っていきたいと思う。
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