COVID-19パンデミックのこの時期、当院に増えたのは「咽頭違和感」です。ストレスにともなうヒステリー球、口腔内乾燥、逆流性食道炎の発症が増えたのかもしれない。このあたりでは草木を消毒をする時期であることは関係するかもしれない。しかしその中に本物が混じるので気が抜けない、いつものような内視鏡で安心をする技も使えません。(3月から内視鏡は緊急例を除き休止しています)
ほぼ無症状で発熱がないコロナウイルス感染症ならばしかし、1週間で症状は消えるでしょう。例外的に副鼻腔炎などの併発で長期に渡りPCR陰性にならない症例はありますが。(日本感染症学会に多くの症例報告があります。先生方のご努力に感謝します)
発熱の有無は重要であり、起床時と、午後あるいは夜の2回の測定はこのとき役立ってくる。なぜなら体温はその人固有のもので個人差があり、どこまでが正常とは言えないからです。今からでも遅くないから毎日測定しておくと良いでしょう。(測らずに「熱がない」の自己申告は、意味をなしません。なぜならば夕方には37度を超えることが多い事を知らない人こそ、そういう事を言うからです)
米国CDCでは初発の症状から7日間経過し、かつ呼吸困難や発熱が完全にない状態が3日続いたら観察期間を終了するとしています。そのレベルならばウイルスの排出は少なくクラスターは作らないという判断です。(まだ暫定)
Discontinuation of Isolation for Persons with COVID-19 Not in Healthcare Settings (Interim Guidance)
もともとインフルエンザ流行の1-2ヶ月後から咽頭違和感の患者さんは増えます。PM2.5の時期でもあります。アレルギーや4月の年度代わりのストレスも関連するでしょう。つまり例年この時期は、咽頭違和感の患者さんは多いのです。
これをお読みになって皆さんがどう判断されるかはわかりません。
私を信頼している患者さんには催眠がかかるらしく、2世紀の本である傷寒論に咽中炙臠の記述があったり、フロイトがヒステリー球の記述をした時代背景の事を話すとそれだけで症状が軽くなるようではあります。
問い合わせをしてくるほとんどの患者では症状が通常のやり方では取れず苦しむようです。例えば抗生物質で治らなかった、トラネキサム酸で治らなかった、イソジンやお茶うがいで治らなかった、などです。
咽頭違和感や口腔内違和感がとれれば良いと思いますから、例えばまだ処方されていなければ胃酸分泌抑制薬を試す、傷寒論にある半夏厚朴湯でも良いです。例えば0.9%塩水でのうがいをしてもらう。(うがいぐすりやお茶などは症状を悪化させることがありますので医師のアドバイスを受けてください)ビタミンB2、B6、あるいは亜鉛、鉄欠乏があれば鉄などのサプリメントの服用、など他にも色々ありますが、それらで症状が楽になれば幸いです。
いつものごとく、当院への来院が減ることを祈って書いています。
問い合わせはメールかLINEで。今は忙しいため返信が遅くなるかもしれません。
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