2018/09/22

前回の治療の結果を話さない人々:80%

初診以外の方で、前回の治療の結果をフィードバックくださらない方は80%ぐらいです。なるほど医療は自動販売機かなにかだと認識されているのだなあと納得ができます。
これをどうかしようとは思っておりません。

ここから先は心理的なゲームとなります。

例えば「どうでした?」とただ聞いたときに、ネガティブな答えをする方がいて、私が「この治療は良くなかったんでしょうか」と聞けば、そうではない、むしろ効いている、という風に意見を変える方は多くいます。

一方で「よくなりました」と言っておき、自分が「改善」とカルテに書きいれると「いやそうでもない」と意見を変える人も居ます。

最初の自分の質問の仕方で、答えがある程度コントロールできてしまいます。これはあまり精度の高いフィードバックとは言えないです。

感情や意見の振れ幅は最初は大きく、自分の引き出したいところ、で議論を終了しますと自在に患者の意見をコントロールが可能です。自分は悪人でもマーケターでもないので、患者の感情のボラティリティが少なくなって来るのを待ち、そのときにふと出てくる意見が本物だったりするのでそれを採用するのです。時間があればの話です。

2018/07/07

便潜血検査をシミュレーション

便潜血検査が検診で陽性になった人が、とある医療機関に行き、もう一度便潜血検査をして大丈夫だったから大腸内視鏡検査を受けなかった、というような話がありますが、それは間違っていますという事を説明したくてこの文章を書いています。

大腸がん検診の感度と特異度は両方95%ぐらいとされていますが、統計の照合方法、特に偽陰性はがん登録によるものなので、受けている人は何年も連続で受けているのが前提になっていると考えられ、それが精度を上げていると考えるのが素直です。すなわち、内視鏡医としての感覚で大雑把に各病変の出血率を書いてみると以下の図のような雰囲気になります。進行がんからの出血率は40%ぐらいとしておくと、2回法で64%がひっかかり、3回連続してすり抜ける人は5%程度になりますので、こんなものじゃないか、と思います。


さて、便潜血検査2回法で陽性になったとき、特にまだ検査をしたことがない人の場合、その人が異常がないのか、進行癌なのかはわかりません。
それなのに、検査を受けたくないという患者の意思を尊重してかわかりませんが、もう1-2回便潜血検査をしてみて異常がなかったら検査をしなくてもいいよ、と説明してしまうと、かなり大きなポリープの人でもすり抜けてしまうから危険だよ、というのが私の主張です。

上記の数字はデタラメで自分の感覚的なものだけれども、便潜血検査を受けるなら毎年ちゃんと受けなくちゃ意味がない、一度でも引っかかったらちゃんと検査を受けて欲しいということがわかっていただけると嬉しく思います。

などと、もう大腸内視鏡検査をする気のない自分が主張するのはおかしいんだけども。