悪性腫瘍の見つけ方

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脳腫瘍
良性であっても悪性疾患同様の振る舞いをするため、この項に入れた。
単純CTでは診断は難しいが、コンピューター診断で精度を上げる方法も。
造影CTにせよ、MRIにせよ、医療リソースを食うのでいたずらに行われるべきではなく、検査前評価が重要であるがそれが難しい疾患。頻度が低いだけに難しい。あんまり相談を受けたくない病気です。お金があったら脳ドックを受けると良いんじゃないか、と答えています。 
上咽頭がん
咽頭がんの中では予後が悪いとされる。症状が出にくく発見されにくい。これも脳ドックでついでに見つかるなど。
中咽頭がん
咽頭がんの中では予後は中ぐらい。内視鏡医が相当上手ければ早期で見つかるチャンスが。飲酒と喫煙がリスク。
下咽頭がん
内視鏡時に発見されることが多い。飲酒と喫煙がリスク。
舌がん
喉頭がん
喫煙者でリスクは高い。内視鏡時に発見されたりする。
甲状腺がん
頻度が高い癌で、経過観察されることも多い半面、予後の悪い癌もある。過剰な検査を受けている人と、全く検査を受けていない人の格差がこれほどまでに大きい癌も珍しい。当院で発見される事は多い。 
乳がん
今後最も増加するだろう悪性腫瘍のひとつ。そのスクリーニングについても評価が定まってはおらず、改善の余地がある。マンモグラフィ、エコー、MRIの利点/欠点を十分にふまえた戦略が必要。当院で発見されることが多い。
肺がん
当院では発見が難しいと認識している悪性腫瘍。某医療機関の肺ドックを特にお勧めしている。
食道がん
アルコール依存症の患者で極めて高率に見つかる悪性腫瘍。ADH2欠損のアルコール多飲者では非常に良く見つかる。熱いものの摂取もリスク。腺癌には家族性があるらしいが、めったに見ることがない。HPV関連の癌も今後増えるか。NBIのおかげでずいぶん発見が楽になった。腺癌の増加は今後の課題。
胃がん
ピロリ菌感染者が必ずなる悪性腫瘍ではないが、胃がんの背景にはほとんどピロリ菌感染がある。診断には慣れが重要なので、NBI、色素、拡大を使いこなせる医師に受診してほしい。最近はどんどん減少傾向にある。喫煙者でピロリ菌陽性だと、がんになる確率は非常に高い。一方で、胃がん低リスクなのに無駄な内視鏡を毎年受けている人が多いのが問題。例外的に予後が悪い癌もあって悩みの種。 
カルチノイド
胃腺腫
MALTリンパ腫
胃悪性リンパ腫
GIST
十二指腸がん
胃がんのスクリーニング中にたまたま発見される。慣れていないと診断は無理かもしれない。
小腸がん
小腸は症状が出ない限りは検査はしない。しかし小腸は他の消化管に比べて狭いのである程度症状は出やすい。
大腸がん
なるべく内視鏡検査を40歳、50歳、60歳で受けてほしい。
名手が多い日本にマッチした方法だと考える。
アメリカの大腸がんスクリーニングガイドラインが優れていると思うが、日本の40歳から便潜血検査というのも悪くない。便潜血検査は40歳から真面目に毎年継続して初めて意味のあるスクリーニング検査なので、75歳を過ぎてから抗血小板療法をしている人にいきなり便潜血検査を真面目に行うのはあまり意味がない。その人にあったスクリーニング方法を選択すべし。日本は過剰な検査を受けている人と全く受けていない人の差が激しすぎ。
カルチノイド
慣れた医師なら見逃すまいが、慣れない医師は見逃す。
虫垂がん
注意をしないと見逃すがん。
肛門がん
恥ずかしいとは思うけれども、医師に相談するかどうかが生死を分けてしまうので、受診すべき腫瘍。ちなみに自分はなぜか一例も見たことがない。
膵がん
発見は不可能ではないが、2cm以下で見つけてもなかなか予後がよろしくない。ある程度リスクの予測は可能ではある。ゲムシタビンの登場でかなり生存期間は長くなりました。
IPMN
の、中でも助かるのはこのタイプの膵がん。これは見つけやすいとも言えるし、見逃しやすいとも言える。診断に慣れているかどうかが鍵。
胆管がん
高齢者に多く、なかなか発見のチャンスがないかもしれない。
胆嚢がん
甲状腺がん同様に頻度は高いが、予後が良いもの、悪いものがあってなかなか頭を悩ませる。膵胆管合流異常がリスクになるのだけれど、高齢になるまでそれがわからないことがある。
肝がん
B、C、NBNC、NASH、AFLDなどを背景に発生してくる悪性腫瘍。専門医でのサーベイランスが鍵となる。餅は餅屋。Bは既往、とされていながら実はHBV-DNA陽性、という症例が少なからずあります。注意。
副腎がん
副腎は良性腫瘍が多いけれど、ほとんど偶発的に見つかる。CTが不必要に多い日本では偶発腫瘍として発見されることが多い。エコーでは相当熟練していないと見えない。
腎臓がん
これも偶発腫瘍として見つかるケースがほとんど。セデスGを濫用していた患者さんはちゃんと検査を受けてください。
尿管がん
HNPCCとの関連があるので注意を要する。
膀胱がん
偶発的に見つかることが多い。喫煙者注意。
子宮頸がん
HPVが相当関与する悪性腫瘍。検診ではっきりとベネフィットが示される数少ない腫瘍。どうかきちんと検診を受けて下さい。ワクチンも重要。
子宮体がん
高齢者の不正出血で発見されることがかつては多かったのだけれど、最近は若い方でも増えてきています。
卵巣がん
乳がんと関連するものもありますが、細胞をとって調べる事が難しい腫瘍なので、腫瘍の存在診断が出来ても悪性なのかどうかに頭を悩ませる腫瘍です。
膣がん
たまに見ます。やはり不正出血で見つかる場合が多いかもしれない。
前立腺がん
グリーソンスコアぐらいはみなさん知っておきましょう。男性は女性に比較して乳がん、子宮頸がん、子宮体がんなどの勉強をしないのだからせめて。PSAがどれほど役に立つかは、未来が決めてくれるでしょう。
精巣がん
腫れたらちゃんとお医者さんにいきましょう。
陰茎がん
怖い病気だとは理解できますが、おかしいな?と思ったらお医者さんへ。
皮膚がん
悪性腫瘍の隠れ一位かもしれません。でも、予後の悪いものもあります。
★当院で見つけるチャンスが非常に少ないのは脳腫瘍、上咽頭がん、早期の肺がん、早期の子宮頸がんなど。ただしおまかせで見つかるものでは絶対にないので、患者さんの意識を高くしていただくために書きました。
★その他に希少がん、と呼ばれる極めて頻度が少ない癌があります。
★血液系の腫瘍はこの中に入れていませんが、除外診断の中には含めます。

<見つけ方まとめ>
①家族歴
②リスク因子
③それらを踏まえて適切な手順で診断をする。

2 件のコメント:

  1. 先生この欄に書いていいものか、と思ったのですが・・
    先生 先日はお世話になりました。名前はコメントが公開になってしまうので 匿名にしました。先生宛のメール欄がないのでこの欄に書き込んでおります。来院して報告すべきところですが、自分はあれから便秘も治り いたって元気なものでどう報告していいものかと。失礼かと思いますが、あえてここに書かせてください。
    主人が7センチものコブが腸の外側にできてGISTではないかと、
    今後 先生のお世話になりたいと懇願したあの主婦です。
    結果が13日にやっとでました。腸間膜デスモイド だそうです。転移は少ない?が同じ所にまた出来ることが多いとか・・今後の検診が必要ですよね。まずは、鵜川先生に報告しなければと思い メールしました。m(_ _)m
    今後は 主治医S先生の指示待ちです
    このようなところに 書いて申し訳ありません
    自分がお世話になるとき またお話しさせてください
    よろしくお願い致します m(_ _)m

    (もしこのメールがいけなかったら 削除してください)

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  2. なるほどそれは考えつきませんでした。ご報告ありがとうございます。GISTよりもはるかに良い結果ではないでしょうか。今後はS先生がフォローしてくださいますし、何も心配は要りません。

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