2010/04/13

胃潰瘍2例

どちらも典型的な経過なのですが、一直線に診断まで行かないことがあります。

1)主訴はめまい
 冷や汗、動悸、めまい・・・(回転性ではない)というのは、胃潰瘍でかなりの出血をしたときの典型的な所見なのですが、ストレートに診断がつかないことがある。なぜか。
 腹痛がない場合があり、しかも黒色便が出現するのは数時間~24時間後であるから。

 どうしたら良いのか。
 すぐには血液中ヘモグロビンも低下せず、ますます混乱してしまいます。
 でも消化性潰瘍の典型的な症状なので、PPIを投与しておき、内視鏡の機会を待ちます。

2)主訴は食思不振
 NSAIDS潰瘍の典型的な症状で、しかもNSAIDS投与終了後に主訴が出現するのが特徴です。
 腹痛はもちろんNSAIDS投与中は抑制されています。

 どうしたら良いのか。
 HP感染はたかだか1.7倍のリスク比しかなく、除菌のメリットはゼロではないものの、その程度。NSAIDS潰瘍は家族歴と関係あるのかもしれず、現在は電子カルテにとにかく症例を蓄えています。
 ムコスタは一日分57.9円です。ランソプラゾール15mgはジェネリックで41.6円です。
 これに関しては、ノーコメントとします。

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