2009/04/27

エコーでは胃の小弯の方向が違う



エコーの画像を示します。
右側の写真。小さい水色の字でA+と書いてある部分が潰瘍です。胃は逆さになったダイアモンドリングのように見えますよね。その辺縁を撮影したのが左側の写真です。ダイヤモンドリングはちょと小さめになったもののダイヤは大きくなりました。これは潰瘍周囲の浮腫でぶ厚くなった胃粘膜です。ダイヤモンドリングは下を向いている、という事は身体では背中側に潰瘍がありますよ、という事を示しています。


場所は胃の出口のそばですから、前庭部です。前庭部の後壁にある潰瘍でしょうか?
いいえ、不正解です。

正解は前庭部小弯の大きな大きな潰瘍なのです。エコーで見ますと小弯は背側に見えるべきなのです。なぜなら大動脈ー腹腔動脈ー総肝動脈ー右胃動脈がある方向が小弯ですので、背臥位の状態で空腹であれば小弯は背側になるのが自然でしょう?背側になるのは後壁だろう、と考えるのは間違いだ、という事がわかりますか?

え?何を見ているかわからないって?

ただ、こういう立体感覚は消化管のエコー検査を行う上で重要だ、という事は知っておくべきです。



AplioXGはこういう画像もきわめて簡単に描出してくれます。高い機械を使うには理由があるのです。

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