2008/10/03

胃底腺ポリープの経過観察戦略

胃底腺ポリープがある場合、ほとんどは背景に萎縮がないために将来胃癌にはならないと言って良いかもしれません。

しかし、βカテニン遺伝子異常がある場合はどうよ、と反論が出ることがあるかもしれません。

胃底腺ポリープは良く観察すると必ず複数個存在しますが、その中にβカテニン遺伝子異常があるのかどうかを見た目から察知することは私には出来ません。おそらくまだ誰にも出来ません。

多発する胃底腺ポリープがある場合、確かにその後胃癌スクリーニングとして内視鏡検査を行う意義というのはかなり低下してしまうのですが、仮にβカテニン遺伝子異常があると仮定した場合にはその患者さんには大腸ポリープが見つかる可能性があるかもしれません。

したがって、胃底腺ポリープがある場合に大腸内視鏡を行うべきかどうかというのは非常に興味深い問題です。

βカテニン遺伝子異常はそれほど稀な遺伝子異常ではない様ですから、大腸内視鏡を行うのも戦略の一つとして考えた方が良いかもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿